必要な器具
- RQフレックスプラス
- 溶液測定用セル
- リフレクトクアントプラス カリウムテスト(1.0-25.0mg/l)
医薬用外劇物 MSDS: http://j-shiyaku.ehost.jp/msds/115/1-117945.pdf
カリウム用のリフレクトクアントには試験紙タイプもあるが、塩素により測定が妨害されるため、塩酸抽出した試料では測定できない。そのため、RQフレックスプラスで液の濁度からカリウムの濃度を測定するリフレクトクアントプラス カリウムテスト(1.0-25.0mg/l)を使用する。 |
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・蓋付き小型容器(5~10mL) |
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- ピペッター(0.1~1.0mL)(代用可駒込ピペット等)
試薬を混合した後に、試料をセルに移すのに使う。
場合によっては必要な器具
・ストップウォッチ 連続測定を行う場合に使う。 |
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手順〜通常測定
RQフレックスプラスで試薬を反応させるために用いる液量は5.0±0.1mL(g)である。「3-(2) 塩酸抽出液の希釈」を参照し、希釈試料を準備しておく。なお、希釈倍率の目安は以下の通りである。
- 牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥・鶏ふん堆肥: 200倍
希釈に使う水は、可能なら脱塩水あるいは蒸留水を使う。入手が困難な場合は、ドラッグストアのベビー用品コーナーにある調乳用の水(ミネラル分を除去した水)を使う。それも入手困難な場合は、市販品のミネラルウォーターや水道水を用いる。その場合、ペットボトルではラベルを確認し、水道水では測定して、カリウム濃度が測定上限値(25mg/l)の10%未満の場合のみ使用する。また、測定後に試料の測定値から水の測定値を差し引く。
濁度での測定では、対照(ブランク)として水の入ったセルを使う。希釈にカリウムを含む水を使った場合、これとは別に希釈に使った水を5.0±0.1mL(g)小型容器に取り、希釈試料同様に測定する。
脱塩水・蒸留水 | 市販品の調乳用の水 | 市販品のペットボトル入り ミネラルウォーター | 水道水 |
---|---|---|---|
○ | ○ | △ | △ |
手順は以下の通り 試験紙用のアダプターを取り出し、セル用のアダプターを付ける ↓ 本体のON/OFFボタンを押し電源を入れる ↓ 付属のバーコードを入れる 3桁の数値が表示される ↓ ・数値が表示されたら、すぐにバーコードを抜き取っても良い STARTボタンを押し、測定スタンバイにする 300secと表示される ↓ 希釈試料に試薬K-1を正確に10滴入れる ↓ 蓋をして振り混ぜる ↓ 希釈試料に試薬K-2を正確に6滴入れる ↓ 蓋をして振り混ぜる ↓ 希釈試料に試薬 K-3 を正確にスプーン一杯入れる ↓ 希釈試料に蓋をして振り混ぜると同時にSTARTボタンを押す ↓ 測定待ち時間が減り始める ↓ セルの両方の区画にブランク用の水を1mL程度ずつ入れる ↓ アダプターにブランクのセルを入れ、蓋を閉じる ↓ セルの両方の区画に、試薬を加えた希釈試料を1mL程度ずつ入れる ↓ 表示が0secになった後、アラームの後に表示が5secに変わる。カウントダウンはしない ↓ ・ここでブランクのセルを入れて蓋を閉じてもよい STARTボタンを押すと、アラームとともにカウントダウンが始まる ↓ 表示が0secになると、アラームの後に入力待ち表示になる↓ ブランクのセルを取り出して置く ↓ 試料のセルを入れて蓋を閉じ、STARTボタンを押す ↓ アラームの後に測定値が表示されるので、書き取る ↓ 試料のセルを取り出す ↓ ブランクのセルを入れ、蓋を閉じる ↓ TEST、STARTの順にボタンを押して測定スタンバイにする ↓ 次の希釈試料に試薬を加え、この要領で順次測定を行う ↓ ・2回目以降はブランクのセルは使い回す 測定が終わったらON/OFFボタンで電源を切る アダプターの取り換え、バーコードの抜き取りは忘れないこと
- 測定値が HI の場合希釈倍率を上げて再度測定する。
- 稀ではあるが、濃すぎて沈澱ができてしまい、HIになるはずなのに測定できてしまう試料がある。沈澱ができていないか注意する。

一番右が沈澱ができた試料。左から2番目でも HI になる。
- 測定値が LO の場合、200倍希釈でカリ2kg/t未満である。それより少量でも把握しておきたい場合は希釈倍率を下げて再度測定する。
- 廃液はアルカリ性で、メタノールとクロロホルムが含まれる。可能なら含有機溶媒廃液として処分する。できない場合は塩素系又は酸素系の漂白剤を加え、一晩放置後に中和して下水に流す。塩素系漂白剤で分解した場合、酸性にすると有毒な塩素ガスが発生するので、pH試験紙等で確認しながら中和する。
連続測定
測定待ち時間は300秒(5分間)である。試験紙での発色法ような反応時間が厳密な手法ではないので、多点数の場合まとめて反応させ、まとめて測定できる。ただし、濁度が安定性するまで5分間かかるので、試薬K-3を加えてから5分以上経ってから最初の試料を測定するように、時間を調節する。
手順は以下の通り 試験紙用のアダプターを取り出し、セル用のアダプターを付ける ↓ 一度に測定する希釈試料全てに、試薬K-1を正確に10滴入れる ↓ 蓋をして振り混ぜる ↓ 一度に測定する希釈試料全てに、試薬K-2を正確に6滴入れる ↓ 蓋をして振り混ぜる ↓ 一度に測定する希釈試料全てに、試薬 K-3 を正確にスプーン一杯入れる ↓ 蓋をして振り混ぜる ↓ セルの両方の区画にブランク用の水を1mL程度ずつ入れる ↓ アダプターにブランクのセルを入れて蓋を閉じる ↓ 一度に測定する希釈試料の数だけセルを準備する ↓ ・混乱しないように順番に並べる。 セルの両方の区画に、試薬を加えた試料を1mL程度ずつ順番に入れて行く ↓ ・沈澱している場合があるので、再度振り混ぜてから入れる 全てのセルに試料を入れ終わる5分くらい前になったら 本体のON/OFFボタンを押し電源を入れる ↓ 付属のバーコードを入れる 3桁の数値が表示される ↓ ・数値が表示されたら、すぐにバーコードを抜き取っても良い STARTボタンを押し測定スタンバイにする 300secと表示される ↓ STARTボタンを押す 測定待ち時間が減り始める ↓ 表示が0secになった後、アラームの後に表示が5secに変わる。カウントダウンはしない ↓ ・ここでブランクのセルを入れて蓋を閉じてもよい STARTボタンを押すと、アラームとともにカウントダウンが始まる ↓ 表示が0secになるとアラームが鳴り、入力待ち表示になる↓ ブランクのセルを取り出して置く ↓ ・ブランクのセルと試料のセルを間違えないように置き方を工夫する 最初の試料のセルを入れて蓋を閉じ、STARTボタンを押す ↓ アラームの後に測定値が表示されるので、書き取る ↓ 試料のセルを取り出す ↓ ブランクのセルを入れて蓋を閉じ、STARTボタンを押す ↓ ・ブランクのセルを入れるのを忘れない アラームが鳴り、入力待ち表示になる ↓ ブランクのセルを取り出して置く ↓ 次の試料のセルを入れて蓋を閉じ、STARTボタンを押す ↓ ・セル中で沈澱していた場合は、セルに入れるところからやり直す アラームの後に測定値が表示されるので、書き取る ↓ 試料のセルを取り出す ↓ ブランクのセルを入れて蓋を閉じ、STARTボタンを押す ・この、ブランクと試料のセルを交互に入れ、
STARTボタンを押すという操作を最後の試料まで行う
計算方法
この分析では、カリウムは低濃度で値が高く出る傾向があるため、測定結果が1〜3ppmの場合は、測定値から1を引く。
測定値の堆肥現物中のカリ含量(kg/t)への変換は 3-(9) を参照。
目次
- 1. 試料の準備と水分量・粗灰分
- (1) 試料の準備
- (2) 水分(乾物率)
- (3) 粗灰分(通常不要)
- 2. RQフレックスの使い方
- 3. 無機成分分析
(速効性肥料成分) - (1) 0.5M塩酸抽出
- (2) 塩酸抽出液の希釈
- (3) アンモニアの測定
- (4) 硝酸の測定
- (5) リン酸の測定
- (6) カリウムの測定
- (7) カルシウムの測定
- (8) マグネシウムの測定
- (9) 堆肥中の成分量の算出
- 4. 簡易デタージェント分析
(緩効性窒素) - (1) 手順の概略
- (2) 0.2AD液での抽出処理
- (3) AD可溶有機物量の簡易推定
(パックテスト) - (4) AD可溶有機物量の簡易測定
(過マンガン酸カリウム滴定) - (5) AD可溶窒素の測定
- (6) 近赤外分光法によるAD可
溶有機物・AD可溶窒素の推定 - 5. 分析値の利用
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