試験紙の処分
RQフレックスのでの測定に使った試験紙は、プラスチックごみとして、地域の処分方法に準じて処分する。
試薬の保管・廃液の処分
測定後の廃液は使う試薬によってはそのまま下水に流せない場合もあるので、下の表様に処理する。なお、排水のpHの基準は5〜9である。
複数の項目を同時に測定した場合、カリウム以外の廃液は混合して処理してもよい。ただし、アンモニアのアルカリ性廃液をリン酸の酸性廃液と混合する場合は、pH試験紙等で酸性にならないように確認しながら行う。酸性の廃液が不足した場合、余った塩酸抽出液等を使う。
リフレクトクアント | 保管方法 | 試薬 | 主成分 | 劇物・毒物表示 | 廃液備考 | 廃液処理 |
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NH4 | 冷蔵 | NH4-1 | 水酸化ナトリウム | アルカリ性 | 中和して下水へ1) | |
NH4-2 | ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム | |||||
NO3 | 冷蔵 | - | ||||
PO4 | 常温暗所 | PO4-1 | 硫酸・モリブデン酸アンモニウム医薬用外劇物 | 酸性・モリブデンを含む | 中和して下水へ(可能なら含重金属廃液として処理)2) | |
K | 常温暗所 | K-1 | 水酸化ナトリウム・EDTA | 医薬用外劇物 | アルカリ性・ホルムアルデヒド、メタノールを含む | 含有機溶媒廃液として処理3) |
K-2 | ホルムアルデヒド・メタノール | 医薬用外劇物 | ||||
K-3 | テトラフェニルホウ酸ナトリウム | |||||
Ca | 常温暗所 | Ca-1 | 過酸化尿素4) | 医薬用外劇物 | アルカリ性 | 中和して下水へ |
Ca-2 | 水酸化ナトリウム | 医薬用外劇物 | ||||
Mg | 冷蔵 | A試薬 | チタンイエロー | アルカリ性 | 中和して下水へ | |
B試薬 | 水酸化ナトリウム | 医薬用外劇物 |
1) 酸性にすると有毒な塩素ガスが発生するので(「まぜるな危険」)、pH試験紙等で確認しながら中和する(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムはプールでの消毒等に使われている)。
2) モリブデンは水質環境基準で要監視項目(0.07mg/L)。今後、環境基準が設定される可能性がある。
3) ホルムアルデヒドは水生生物の保全に係る水質環境基準の要監視項目(1mg/L)。廃液中の濃度は20mg/L程度。廃液は化学的に処理しても良い。主な方法として、
- 次亜塩素酸を含む溶液を加えて一晩程度放置し酸化分解する
- 過酸化水素を含む溶液を加えて酸化分解する
がある。次亜塩素酸は塩素系の漂白剤・消毒液に含まれている(NH4廃液にも含まれる)。過酸化水素は酸素系の漂白剤・消毒液に含まれている(Ca廃液にも含まれる)。
廃液はアルカリ性なので、ホルムアルデヒドを分解した後、中和して下水に流す。次亜塩素酸で分解した場合、酸性にすると有毒な塩素ガスが発生するので(「まぜるな危険」)、pH試験紙等で確認しながら中和する。
4) 過酸化尿素は分解して過酸化水素と尿素になる(過酸化水素は有機物と反応して分解する)。歯のホワイトニングにも使われている物質なので、過度に神経質になる必要はない。
目次
- 1. 試料の準備と水分量・粗灰分
- (1) 試料の準備
- (2) 水分(乾物率)
- (3) 粗灰分(通常不要)
- 2. RQフレックスの使い方
- 3. 無機成分分析
(速効性肥料成分) - (1) 0.5M塩酸抽出
- (2) 塩酸抽出液の希釈
- (3) アンモニアの測定
- (4) 硝酸の測定
- (5) リン酸の測定
- (6) カリウムの測定
- (7) カルシウムの測定
- (8) マグネシウムの測定
- (9) 堆肥中の成分量の算出
- 4. 簡易デタージェント分析
(緩効性窒素) - (1) 手順の概略
- (2) 0.2AD液での抽出処理
- (3) AD可溶有機物量の簡易推定
(パックテスト) - (4) AD可溶有機物量の簡易測定
(過マンガン酸カリウム滴定) - (5) AD可溶窒素の測定
- (6) 近赤外分光法によるAD可
溶有機物・AD可溶窒素の推定 - 5. 分析値の利用