必要な器具
使用する器具
- RQフレックスプラス
- 溶液測定用セル
- 関東化学アグロチェック マグネシウムテスト(5-50mg/l) ※要冷蔵
マグネシウムテストの測定レンジは5-50mg/lとなっているが、共存するリン酸により発色剤が凝集し結果が高めになるため、25mg/lを上限とする。
・蓋付き小型容器(5~10mL) |
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- ピペッター(1.0~5.0mL)(代用可駒込ピペット等+秤)
試薬加えるのに使う。
- ピペッター(0.1~1.0mL)(代用可駒込ピペット)
希釈試料の分取、試薬を混合した試料をセルに移す時に使う。
場合によっては必要な器具
・ストップウォッチ 連続測定を行う場合に使う。 |
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手順〜通常測定
RQ フレックスプラスでの測定に用いる液量は 0.5±0.01mL(g)である。 「3-(2) 塩酸抽出液の希釈」を参照し、希釈試料を準備しておく。なお、希釈倍率の目安は以下の通りである。
- 牛ふん堆肥: 20倍
- 豚ぷん堆肥・鶏ふん堆肥: 50倍
希釈に使う水は、可能なら脱塩水あるいは蒸留水を使う。入手が困難な場合は、ドラッグストアのベビー用品コーナーにある調乳用の水(ミネラル分を除去した水)を使う。それも入手困難な場合は、市販品のミネラルウォーターや水道水を用いる。その場合、ペットボトルではラベルを確認し、水道水では測定して、マグネシウム濃度が測定上限値(25mg/l)の10%未満の場合のみ使用する。また、測定後に試料の測定値から水の測定値を差し引く。
脱塩水・蒸留水 | 市販品の調乳用の水 | 市販品のペットボトル入り ミネラルウォーター | 水道水 |
---|---|---|---|
○ | ○ | △ | △ |
カリウムと違い、マグネシウムのブランクは試薬を加えるため、マグネシウムを含む水は極力使用しない。使わざるを得ない場合は、試料の点数と同じだけ希釈に使用した水を0.5±0.01mL(g)小型容器に取り、毎回ブランクを作成する。連続測定はできない。
測定では、対照(ブランク)として脱塩水に試薬を入れたものを使う。そのため、試料を準備する際には脱塩水0.5mLを入れた容器にも試薬を加える。ブランクの着色は徐々に濃くなるため、連続測定しない場合は2試料への使用に留める(脱塩水に試薬を入れ終わってから17分後まで)。
手順は以下の通り 試験紙用のアダプターを取り出し、セル用のアダプターを付ける ↓ 本体のON/OFFボタンを押し電源を入れる ↓ 付属のバーコードを入れる 3桁の数値(145)が表示される ・なかなか認識されないことがある。その場合は抜き差しを繰り返す ↓ ・数値が表示されたら、すぐにバーコードを抜き取って良い STARTボタンを押し測定スタンバイにする 420secと表示される ↓ 脱塩水・希釈試料にA試薬を2.5±0.1mL(g)入れ、軽く振り混ぜる ↓ ・2試料に1回、脱塩水に試薬を入れてブランクを作る 脱塩水・希釈試料にB試薬を2.0±0.1mL(g)入れる 同時にSTARTボタンを押す ↓ 測定待ち時間が減り始める ↓ 待ち時間の間に軽く振り混ぜる ↓ セルの両方の区画にブランク(試薬を加えた脱塩水)を1mL程度ずつ入れる ↓ アダプターにブランクのセルを入れ、蓋を閉じる ↓ セルの両方の区画に試薬を加えた試料を1mL程度ずつ入れる ↓ 表示が5sec(残り5秒)になったらアラームが連続で鳴り続ける ↓ 表示が0secになるとアラームが鳴り、入力待ち表示になる ・カリウムと違い、カウントダウンは一旦停止しない↓ ブランクのセルを取り出して置く ↓ 試料のセルを入れて蓋を閉じ、STARTボタンを押す ↓ アラームの後に測定値が表示されるので、書き取る ↓ 試料のセルを取り出す ↓ TEST、STARTの順にボタンを押して測定スタンバイにする ↓ 次の希釈試料に試薬を加え、この要領で順次測定を行う ↓ 測定が終わったらON/OFFボタンで電源を切る アダプターの取り換え、バーコードの抜き取りは忘れないこと
- 測定値が25以上の場合(HIも含む)、希釈倍率を上げて再度測定する(測定値が25〜50の場合も再測定する)。
- 測定値がLOの場合、20倍希釈で苦土1.7kg/t未満、50倍希釈で苦土4.1kg/t未満である。それより少量でも把握しておきたい場合は希釈倍率を下げて再度測定する。
- 廃液はアルカリ性なので、塩酸等で中和して処分する。
連続測定
測定待ち時間は420秒(7分間)である。ストップウォッチを準備して連続的に測定を行うと効率的である。セルに試料を移す作業が入るので40秒ごとに測定を行なう(慣れない間は1分程度間隔を空けた方が良い)。一人で行う場合、一度にできる試料は10点である。ブランクは各回に作成する。二人組で測定する場合は、10点を目処にブランクを作り直し、ブランクのセルを取り換える。以下の手順は一人の場合である。
手順は以下の通り 試験紙用のアダプターを取り出し、セル用のアダプターを付ける ↓ 脱塩水と一度に測定する希釈試料全てに A試薬を2.5±0.1mL(g)入れ、軽く振り混ぜる ↓ 脱塩水にB試薬を2.0±0.1mL(g)入れ、軽く振り混ぜる ↓ 本体のON/OFFボタンを押し電源を入れる ↓ 付属のバーコードを入れる 3桁の数値が表示される ・なかなか認識されないことがある。その場合は抜き差しを繰り返す ↓ ・数値が表示されたら、すぐにバーコードを抜き取って良い STARTボタンを押し測定スタンバイにする。420secと表示される ↓ セルの両方の区画にブランク(試薬を加えた脱塩水)を1mL程度ずつ入れる ↓ ・ブランクのセルへの分注は一つ目の試料にB試薬を加えた後でもよい アダプターにブランクのセルを入れ、蓋を閉じる ↓ 最初の希釈試料にB試薬を2.0±0.1mL(g)入れる 同時にSTARTボタン、ストップウォッチのボタンを押す ↓ 測定待ち時間が減り始める 軽く振り混ぜる ↓ B試薬を入れた希釈試料をセルの両方の区画に1mL程度ずつ入れる ↓ ストップウォッチの表示が40秒になったら 次の希釈試料にB試薬を2.0±0.1mL(g)入れ、軽く振り混ぜる ↓ B試薬を入れた希釈試料をセルの両方の区画に1mL程度ずつ入れる ・40秒ごとのこの操作を最後の試料(最大10点・360秒=6分)まで行う 表示が0secになると、アラームが鳴り、入力待ち表示になる この時、ストップウォッチの表示は7分 ・カリウムと違い、カウントダウンは一旦停止しない ・カリウムと違い、反応時間はできる限り守る↓ ブランクのセルを取り出して置く ↓ ・ブランクのセルと試料のセルを間違えないように置き方を工夫する 最初の試料のセルを入れて蓋を閉じ STARTボタンを押す ↓ アラームの後に測定値が表示されるので、書き取る ↓ 試料のセルを取り出す ↓ ブランクのセルを入れて蓋を閉じる ↓ ・ブランクのセルを入れるのを忘れない ストップウォッチの表示が7分40秒になったら STARTボタンを押す ↓ アラームが鳴り、入力待ち表示になる ↓ ブランクのセルを取り出して置く ↓ 次の試料のセルを入れて蓋を閉じ STARTボタンを押す ↓ アラームの後に測定値が表示されるので、書き取る ↓ 試料のセルを取り出す ↓ ブランクのセルを入れて蓋を閉じる ↓ ストップウォッチの表示が8分20秒になったら STARTボタンを押し、入力待ち表示にする ・この、ブランクと試料のセルを交互に入れ、STARTボタンを押す という操作を最後の試料(最大10点・360+420秒=13分)まで行う
計算方法
測定値の堆肥現物中の苦土量(kg/t)への換算は 3-(9) を参照。
目次
- 1. 試料の準備と水分量・粗灰分
- (1) 試料の準備
- (2) 水分(乾物率)
- (3) 粗灰分(通常不要)
- 2. RQフレックスの使い方
- 3. 無機成分分析
(速効性肥料成分) - (1) 0.5M塩酸抽出
- (2) 塩酸抽出液の希釈
- (3) アンモニアの測定
- (4) 硝酸の測定
- (5) リン酸の測定
- (6) カリウムの測定
- (7) カルシウムの測定
- (8) マグネシウムの測定
- (9) 堆肥中の成分量の算出
- 4. 簡易デタージェント分析
(緩効性窒素) - (1) 手順の概略
- (2) 0.2AD液での抽出処理
- (3) AD可溶有機物量の簡易推定
(パックテスト) - (4) AD可溶有機物量の簡易測定
(過マンガン酸カリウム滴定) - (5) AD可溶窒素の測定
- (6) 近赤外分光法によるAD可
溶有機物・AD可溶窒素の推定 - 5. 分析値の利用
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